【ams-OSRAM】新たなトゥルーカラーセンサを発表、 カメラ画像とディスプレイでほぼ完璧な演色性を実現

ams OSRAMは、スマートフォンのカメラがあらゆる照明条件下でもほぼ完璧な演色性を実現し、ディスプレイがより自然な画質を再現することを可能にする、最先端のカラーセンサ、TCS3530を発売しました。

また、TCS3530は新しい完全統合型光学アセンブリにより、スマートフォン、カメラ、ディスプレイメーカーの製造工程を簡素化します。

ams OSRAMの統合型光学センサ製品管理担当ディレクター、Darrell Benkeは次のように述べています。「スマートフォン市場において、カメラの性能は主要な差別化要因となっていますが、新しいTCS3530は、どんなに難しい照明条件下でも、ユーザーが目で見たままの色を再現する能力をカメラに付与します。このセンサの卓越した性能は、プロの写真家が使う測色計をスマートフォンに組み込んだようなものです」

TCS3530カラーセンサは、XYZ三刺激値の応答を生成します。つまり、その3チャンネルの出力は、平均的な人間の目で色を検出する3組の光受容体の応答と緊密に一致しています。このセンサは、ams OSRAMがこれまでに開発したものの中で最も高感度なXYZカラーセンサであり、明るい太陽光からほぼ暗闇まで、あらゆる条件下で色度と照度を正確に測定します。

このセンサのXYZ光測定値は、チップ内でCiE色空間に正確に配置された色度座標に変換されます。これにより、カメラにおける超高精度の自動ホワイトバランスが可能になり、あらゆる条件下で、以下を含む被写体の色を自然に表現することができます。

　蛍光灯やLEDなどによる影響で歪んで見える光源下で撮影された画像
　有色（白以外）の大きなブロックが多い画像

TCS3530をディスプレイ、モニター、テレビに搭載することで、あらゆる周辺光条件下での優れたカラーマネージメントが可能になります。アルゴリズムは、センサの出力を使用してディスプレイの白色点を周囲光の白色点に合わせて調整することができ、その結果、より正確で魅力的なカラーレンダリングと知覚画質を実現できます。

拡散板を組み込むことで性能の向上、省スペース化、設計の簡素化を実現

高性能なTCS3530カラーセンサは、光学チップ技術とパッケージングにおけるams OSRAMの一連のイノベーションによって生み出されました。これらのイノベーションには、XYZチャンネル、赤外線チャンネル、4つのリファレンスチャンネルで構成される新しい8チャンネル構成が含まれます。また、TCS3530には最大7 kHzの高速フリッカ検出機能が新たに搭載されており、画像や動画の撮影時におけるAC電源駆動の照明やLEDのちらつきによる干渉を排除することができます。

TCS3530の新しい光学アセンブリには、拡散板が組み込まれています。このため、最終製品メーカーは、外付け拡散板を装備した光学アセンブリの設計・製造が不要になります。これにより、光学設計の手間と製造が大幅に簡素化されます。TCS3530のアセンブリは、センサとアパーチャ間の距離が精密に設計されており、拡散板の正確な配置がメリットをもたらしています。100%のエンドオブラインキャリブレーションと組み合わせることで、TCS3530の統合型アーキテクチャは、どのユニットでも極めて一貫性の高い光学性能を生み出します。また、メーカーは高価で複雑なセンサシステムのキャリブレーションを工場で行う必要がなくなります。

さらに、統合型アセンブリは、外付け拡散板を装備したディスクリートの構成よりも薄いため、スマートフォンメーカーは超小型の製品設計にもより容易にカラーセンサを搭載することができます。

TCS3530トゥルーカラーセンサは、2.5mm x 1.8mm x 1.5mm OLGAパッケージで提供されます。